ミズホ通信(株)UZ-77 / UZ-77S / UZ-8DX / UZ-8DXS用バー・アンテナの試作

2008年8月23日 24日 ハムフェア2008 において、関西マイクロウェーブ実験グループのブースで展示とデモをしました。
ミズホ通信(株)高田社長がご多忙の中、試作アンテナを見学に来られました。
UZ-77 / UZ-8DX用の他、長さ685mm 重さ1.3Kgのバー・アンテナを見て頂きました。
フェライト・ロッドを何本かお渡ししましたので、もしかしたらミズホブランドの卓上バー・アンテナなんて商品が出てくるかも分かりません。
大いに期待したいと思います。

中波帯で遠距離の放送局を受信するには、高性能のラジオか通信型受信機を使用します。
忘れてはいけないのは、受信用アンテナです。
比較的簡単に設置でき、効果があると評価の高いのはミズホ通信(株)製の受信用アンプです。

ミズホ通信(株)のホームページは、こちら・・・
http://www.mizuhotsushin.com/index.html
UZ-77s \12,600  UZ-8DXs \16,800で全国の無線機ショップで購入できると思います。
無線機ショップに無い場合は、ミズホ通信(株)さんからも直接購入することが出来ます。
送料をサービスして頂けるので、無線機ショップまで遠い人は通販でお願いする方が便利です。

UZ-77とUZ-77s,UZ-8DXとUZ-8DXsの違いについて:
末尾にsが付くのは受注製作になってからです。 内容はsが付かない物と同じと考えて良いと思います。

UZ-77 / UZ-77s / UZ-8DX / UZ-8DXs用のアンプ部を使用し、バー・アンテナを試作してみました。
性能に不満はありませんが、狭い我が家では逆に大きなループ・アンテナが重荷になっていました。
遠距離の放送局を受信するのが目的ではなく、鉄筋の室内でローカル局を聴くのが主な目的です。
そこでフェライト・ロッドを使用したバー・アンテナを試作してみました。
アンテナの専門家では無いので、インピーダンスなどはあまり考慮していません。
とにかく手軽に受信したい! これが出発点です。
大きめのフェライトを使用すれば、室内からでも遠距離の放送が聴けるかも分かりません。


ここに記載しているデータは、アジレント テクノロジー社製 E4980A プレシジョンLCRメーターで得られたものです。
実際に使用する周波数でのインダクタンスとQ値を正確に測定する事が出来ます。
使用している素材の良否もQ値を測定することで、簡単に判別できます。


近々、HP 4285A プレシジョンLCRメーター( 75KHz - 30MHz )でコイルの自動測定化を開始します。
短波用の小型アンテナも暇を見付けて、試作したいと思います。



UZ-77 / UZ-77s用バー・アンテナその他

20 X 21cmの大きさです。
入・出力はRCAプラグを使用しています。 BNC変換アダプターを使って測定しました。
但し、コネクターで変換しただけでインピーダンスについての考慮はしていません。
上のアンテナを使って、50オームで測定した結果です。
ビル内で窓際に置いたループ・アンテナに接続したゲルマ・ラジオは、か細い音しかしません。
しかし、このアンプの効果は絶大でセラミック・イヤホンでは歪んでしまいました。
両耳のマグネチック・レシーバーでもかなりの音量で聴く事が出来ました。

 
前面パネルは、電源スイッチ ゲイン切り換えスイッチ 同調ツマミ
後面パネルは、左からループ・アンテナ接続用コード 単三電池 アンプ出力 ACアダプター( DC3V )

 

UZ-77 / UZ-77s用アンテナの条件について
アンプ内部のコイルとバリコンで同調を取るようになっています。
アンテナは内部コイルの1次側に接続し、電波を捕らえます。

付属しているプリント基板のループ・アンテナのインダクタンスは13μH程度です。
インダクタンスが大きくなっても使えます。・・例えば、UZ-8DX用の大きなループ・アンテナでも・・
気楽に試してみましょう。
ただサイズが小さい分、遠くの放送局を捕らえるには不利かも分かりません。あくまでも代用できると言う意味です。


秋葉原で見掛けるループ・アンテナ( チューナーやCDコンポのアンテナ )です。
出力にこのアンテナを接続して、ラジオの近くに置いて使用する事も出来ます。
巻き枠の大きさは、122 X 105mm 7回巻いてあります。 インダクタンスは、14.3μH Q = 70 / 1MHzにおいて
ラジオに直接ビニール線を巻き付けるよりも見栄えが良いです。 
このアンテナを中波用で使うにはインダクタンスが小さいので大容量のバリコンが必要になり、現実的ではありません。
同調が取れても、効果はほとんど無いかも分かりません。   UZ-77 / UZ-77sには使えますが。
また、プリント基板アンテナの替わりに使う事も出来ます。

以下は、UZ-77 / UZ-77s 受信アンプ部分の実測データです。


上のデータ:感度切り替えスイッチは、LOCALの位置で測定 

測定条件:テスト周波数 300KHz - 2.0MHz -50dBm
1MHz時の同調特性です。 ゲインは12.8dBあります。  結構シャープな同調特性があります。


上のデータ:感度切り替えスイッチは、DXの位置で測定  
測定条件:テスト周波数 300KHz - 2.0MHz -50dBm
1MHz時の同調特性です。 ゲインは39.5dBあります。 LOCALの位置と同様に、シャープな同調特性があります。



スパイダー・コイル風アンテナ・コイル

ダイソーでコースター( 2枚入り\105 )を買ってきました。 直径:100mm 厚さ:7mmです。
周りに穴を開けて、団子や串焼きに使う竹串( 径:3mm )を差し込んでいます。



完成後の画像  直径:110mmの小形スパイダー・コイルです。
倒れないように重めの木台を使用し、コイル部分が回転出来るように固定していません。
パネルを取り付ければ、完成です。

インダクタンスとQ値を以下に示します。

  


バー・アンテナで小型化してみました。
 
直径:10mm 長さ:100mm 短波用バー・アンテナです。        木台に取り付けて完成です。
短波用バー・アンテナを中波帯の周波数でインダクタンスとQ値を測定してみました。  充分な性能が有ることが判ります。

  


真打ち登場!? 強力卓上バー・アンテナを作りました。
長さ200mm 幅25mm 厚さ10mmの少し大きめのフェライトの上に、リッツ線( 0.06mm / 180回 )を巻いた強力タイプです。


直径:10mm 長さ:100mm 短波用バー・アンテナと比較して少し大きいのが判ると思います。
目標とするのが13μH程度なので、間隔を空けて10回巻きました。

  
UZ-77 / UZ-77sのアンテナは電波を誘起する為の物で、同調は本体内部のコイルで行っています。
その為、製作したコイルのインダクタンス値はシビアに揃えていません。 オリジナルになるべく近くなる様にしています。


完成したコイルを塩ビ・パイプに入れて、木台に取り付けて完成です。
出力は、RCAプラグです。


UZ-77 / UZ77s用アンテナ 大きさの比較
アンプを通した後のゲインを比較すると、予想通り付属品のプリント基板ループ・アンテナが一番です。
小形アンテナはフェライトとスパイダーではそんなに差は無い様ですが、付属品に比べて10dBほど落ちるので
近距離向けです。


平型フェライトを使用したプレート・アンテナ 100 X 100 X 6mmのフェライトを使用しています。
太いリッツ線( 0.06mm x 180本 )を15回巻いたところ
これは、UZ-77 / UZ-77s用です。
  

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UZ-8DX / UZ-8DXs用 卓上型バー・アンテナ


中波受信マニアの方に人気があるUZ-8DXの70cm角のループ・アンテナは性能が良いのですが、狭い部屋で使うには大きく感じる事があります。
仕事場がある都内・文京区の鉄筋ビル内では、ニッポン放送、ラジオ日本は電波が弱くてノイズ混じりになります。
そこで、机の上に乗せてコンパクトに使えるのを目標にしました。
UZ-77と違うのは、電源を切った状態ではループ・アンテナだけで動作させられる点です。

UZ-8DX / UZ-8DXs用アンテナの条件について
アンテナの1次側( 巻き数の多い方 )とアンプ内部のバリコン( 340PFの並列接続・計680PF )で同調を取ります。
2次側は5,6回程度巻いておけば使えます。
UZ-8DXの回路図を見ると、同調用バリコンは2連 / 340PFを並列接続して使っています。
680PFで500KHzに同調させるには、145μH程度あれば良い事になります。
また、1.8 / 1.9MHzの受信用にはインダクタンスを少なくすれば使えるようになりますから試して下さい。

今回は、フェライトに少し大きめの物を使用しました。 長さ:200mm 幅:25mm 厚さ:10mm の物です。


リッツ線( 0.06mm X 180本 )で少し間隔を空けて巻いたところ。

2次側は近距離受信を目的にしているので、適当に巻いています。 本当は最適に持っていくのが筋ですが。
1次側が35回、2次側を6回巻いてみました。 


アクリル・パイプに収納する予定でしたが、パイプにひびが入ったので急遽塩化ビニール・パイプに変更しました。
スタンドに取り付けて完成  裏側に線が通る穴を開けています。

  
パイプに収納した後のインダクタンスとQ値( 1次側 )

  
パイプに収納した後のインダクタンスとQ値( 2次側 )


UZ-77とUZ-8DXのバー・アンテナを並べたところ。  
フェライトの面積が大きいせいか、アンテナを回転させると山と谷のピークの位置では信号強度が大きく違うのが実感できます。


少し大きめのフェライト板を使用して、アンテナを作ってみました。
これは、バー・アンテナと呼ぶよりプレート・アンテナと呼ぶべきでしょうか?


フェライト板を使用したアンテナ
左上から、100 X 100mm 50 x 100mm 110 x 10mmのバー・アンテナ・比較用
右横も50 X 100mm


平型フェライトを使用したプレート・アンテナ 50 X 100 X 6mmのフェライトを使用しています。
リッツ線( 0.06mm X 180本 )を32回巻いています。
  


平型フェライトを使用したプレート・アンテナ 50 X 100 X 6mmのフェライトを使用しています。
細いリッツ線( 0.051mm x 27本 )を30回巻いたところ
  


平型フェライトを使用したプレート・アンテナ 100 X 100 X 6mmのフェライトを使用しています。
細いリッツ線( 0.051mm x 27本 )を28回巻いたところ
  
この大きさは、結構威力があります。


更に小型のフェライトでアンテナを用意してみました。
 長さ100mm 径10mmです。

  
1次側:42回 2次側:5回巻いています。
この大きさでも、近距離では充分に効果があります。
考察点:仕上げ後に黒色の収縮チューブを使用しました。 これは失敗でした。
黒色の収縮チューブにカーボン様の材料が含まれていると思います。
巻き終えた直後の実測データとチューブを被せた後では、Q値が大きく下がります。
数本巻いて650 - 700程度有ったのが、半分程度に下がります。
中波帯でこんな落ち方です。 短波帯・VHF,UHFとなると想像が出来ません。
材質がハッキリしていれば問題は無いのですが・・・


2008年8月19日 ミズホ通信(株)高田社長よりUZ-8DXsのアンプを頂きました。
市販品とバリコンの容量が違っています。
 
左:市販品・・340PFを並列接続( 680PF )してあります。  右側:頂いた物は、340PFだけになっています。


長さ:100mm 直径:8 X 10mm(楕円形)
一度使用したリッツ線をつないでいるので、見た目は良くありません。 しかし、性能は目を見張るものがあります。

  
これだけ高いQ値が得られるフェライト・ロッドはそんなに無いと思います。
空芯で巻いたコイルで実現できるQ値が、フェライトで簡単に実現出来ています。


小さな木箱に入れて、ホルマル線でアンプと直結します。
アンテナは回転出来ないので、アンプと一緒に一番良く受かる方向に向けないといけないのが欠点です。
近距離なら、この高性能バー・アンテナで充分にカバーできます。
AORの広帯域受信機 AR5000を使用して、ラジオ日本( 1422KHz )をビル内で受信してみました。


アンプをOFFにして、アンテナだけを同調させた場合・・・Sメーターは8の位置です。


アンプをONにすると、Sメーターは+45dBちかくまで振れます。
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1.8 / 1.9MHz帯 卓上バー・アンテナ
はちのへ無線手造り愛好会の月舘さんより200mmのフェライトを使って、トップバンド受信用の卓上アンテナは作れないかと要望がありました。
受信用なので作るのも気が楽です。
100PFのバリコンでカバー出来るように、80μH程度に巻きました。
後の作業は任せて、終了です。
この周波数帯も今までの記述と同様に、インダクタンスをUZ-77 / UZ-8DXのバリコン容量に合わせてやれば
1.8 / 1.9MHzでも充分に使用できます。
同調ダイアルの目盛は合いませんが、問題は無いでしょう。


1次側:24回 2次側:4回 
リッツ線( 0.051mmの線が27本撚ってあります。 外径:0.3mm )を使用しています。

 
上のデータは、1次側のインダクタンスとQ値です。

 
上のデータは、2次側のインピーダンス特性です。
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UZ-K1 / UZ-K1s の場合は・・・
UZ-K1sは、作りやすいアンプなしの大型ループアンテナの主要部をキットにしたものです。
ラジオへの接続コイルも付いているので、お買い得です。



このキットの同調回路は、UZ-8DX / UZ-8DXsと同じ物です。 340PFが並列接続されているので、UZ-8DX用のコイルがそのまま使用できます。
同調回路部分は組立済みの完成品ですから、すぐに使うことが出来ます。



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2, 簡易シグナル・ジェネレーター( ファンクション・ジェネレータ / DDS / マーカ発振器 )

3,
アンテナ・アナライザー / ディップ・メーター

4,
LCRメーター / CRブリッジ / Qメーター / 標準コンデンサ

5, ループ・アンテナ / AMラジオ用プリアンプ / アンテナ・カプラー / フィルター

6, ニキシー管・デジタル時計の製作( 準備中 )

7, AM帯アンテナ・コイルの性能比較

8, ACアダプター / 実験用電源

9, エア・バリコンとポリ・バリコンの性能比較



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